食べ物と汽車が好きな人のための書評

名作の中の食べ物、作家が好きな食べ物と旅を追って、本の森を歩こう

中落合 中太郎
(C)Chutaro.Nakaochiai
<< ’94年ロサンゼルス郊外で死んだ日系二世の老人は遺族の知らない少年に遺産を残した。その少年を探すうち老人の秘密が明らかになっていく−「ある日系人の肖像」ニーナ・ルヴォワル | main | A year after tsunami by John M.Glionnaロサンゼルスタイムズによる震災1年後の日本 >>
「ある日系人の肖像」著者ニーナ・ルヴォワルについて思うこと--Southland,Author Nina.Revoyr
評価:
Nina Revoyr
Akashic Books
¥ 1,227
(2003-03)

評価:
Nina Revoyr
Akashic Books
¥ 1,613
(2011-02-08)

< 日本人の母とポーランド系米人の父>

ニーナ・ルヴォワルというカタカナから私はフランス系のアメリカ人を想像したが、父はポーランド系アメリカ人で母は日本人である。

 <東京からウィスコンシンの小さな村へ>
東京で生まれ、5歳まで東京と京都で暮らしたあと、ウィスコンシン州の小さな町に移った。日本では外人として見られ、ウィスコンシンではたった一人のアジア系非白人という経験をした。
9歳の時ロサンゼルスに引っ越して「生まれて初めて疎外感から解放」された、と「ある日本人の肖像」日本版へのまえがきに書いている。


<新作Wingshooterは自伝?>

2011年3月に新作"Wingshooter"を発表した。ニーナ・ルヴォワルのサイトから荒っぽく和訳したあらすじはこうだ。

主人公ミシェルの母は日本人。日本で生まれたがウィスコンシンの村で父方の祖父母と暮らすことになった。ハンターでありかつてマイナーリーグでプレーしたこともある。村で最も尊敬される人物だ。
祖父は息子の結婚に反対だった。しかし、その孫にはメロメロだった。

ミシェール(Wingshootersの主人公)の父はジャーナリストらしい。’64年の東京オリンピックのとき放送にたずさわったり、新聞に原稿を書いた。母は日本生まれの日本育ちの日本人。ウィスコンシン州マディソンの大学に留学していたとき、父と出会った。

ウィスコンシン州というと…。今調べたのだがミルウォーキーとグリーンベイがある。つまりBrewers(野茂がいた)とPackers(今年のスーパーボウル覇者)か。


そのあとどうなったのか読んでないが、60年代に日本で暮らし、ミシェールが生まれ、70年代ミシェールはウィスコンシンの片田舎どころか大田舎で暮らすことになった。

70年代、ベトナム戦争は継続中である。第二次大戦、朝鮮戦争の退役軍人は働き盛りだ。

The Brooklynrailという書評サイトにwingshootersの抜粋が載っている。Wingshootersへの興味をそそられる内容だ。と、同時に著者Ninaのbiographyにある、東京と京都で暮らした後ウィスコンシン州の小さな村での著者の暮らしが本書と重なるような気がする。

<日本生まれの少女のアメリカの田舎暮らし>

それがどんなものだったか、わかる一部を抜粋する。

“Your daddy’s a Jap-lover!” a girl hissed behind me.
“Yeah,” said her friend, “I heard her mama’s a geisha whore.”

“That can’t be,” said the first girl. “’Cos geishas are pretty. And Michelle’s butt-ugly—just look at her.”

I didn’t reply—I never replied—and fought the urge to turn and face them. After I got my books, I walked quickly to class and kept my eyes trained on the floor.

この前後を見たい方は下記のサイトにアクセスしてください。

http://www.brooklynrail.org/2011/02/express/from-nina-revoyrs-wingshooters

 ミシェールとは幼いころの作者ninaであろう。

こちらは著者がWingshootersについて語るインタビュウのサイトである。日本から突然、ウィスコンシンの小さな村に連れてこられた女の子の物語は楽しいものではない。興味のある方はこちらをどうぞ。
http://www.youtube.com/watch?v=wGozsgeWIuQ

<子供たちのためのNPO>

ninaは現在、母校コーネル大学の客員教授などいくつかの大学で教えている。また、ロサンゼルスのNPO Children's Institute Inc.-CIIのExecutive Vice President, Office of the CEOである。CIIは虐待や放置に苦しむこどもたち助け癒すための数々の活動をしている組織のようである。

http://www.childrensinstitute.org/about/history/

「ある日系人の肖像」を読み終え、さまざまなサイトを覗いてninaを追いかけてきた。日系人、黒人などマイノリティへの差別に焦点をあてていること、不幸な環境にいる子どもたちとともに歩む活動などが彼女の中ですべてがつながっていることを感じる。

| 中落合中太郎 | ニーナ・ルヴォワル | 22:41 | comments(0) | - | pookmark |









    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< June 2017 >>
+ SELECTED ENTRIES
+ RECENT COMMENTS
  • 超能力新聞記者があふれる日本のマスメディア-『ジャーナリズム崩壊』上杉隆(幻冬舎新書)
    憂国 (01/21)
  • 超能力新聞記者があふれる日本のマスメディア-『ジャーナリズム崩壊』上杉隆(幻冬舎新書)
    (07/23)
  • 北カリフォルニアのミカン畑に行く。<湯葉シティYuba CityのKenzo Sushi>―おふくろ様カルフォルニアご親戚訪問同行記その7
    中落合中太郎 (09/23)
+ CATEGORIES
+ ARCHIVES
+ MOBILE
qrcode
+ LINKS
+ PROFILE