食べ物と汽車が好きな人のための書評

名作の中の食べ物、作家が好きな食べ物と旅を追って、本の森を歩こう

中落合 中太郎
(C)Chutaro.Nakaochiai
「はつでんじょ」か「はつでんしょ」か漢文に造詣の深い海江田経産相
JUGEMテーマ:原発
 <はつでんじょ>

海江田万里経済産業大臣が民主党代表選挙に名乗りをあげた。
海江田さんのルーツは鹿児島県だそうだが、雰囲気は江戸の大店の若旦那である。

じつは前から海江田さんのことで気になっていることがある。

フロント企業から献金をもらっているというような大したことではない。

海江田万里経済産業大臣の五月の記者会見で、海江田大臣が「福島第一原子力発電所」をなんども「はつでんじょ」というのである。

経済産業省は電力会社の所管官庁なので、その長が「はつでんじょ」というのなら尊重しなければなるまい。


はつでんじょが正しいのか?>

私は北関東の田舎の出で、小学校の先生が「イド(江戸)幕府」「シュウギエンギエン(衆議院議員)」と講義する環境で育った。

「子宮筋腫」を「しきゅうきんし」と大学に入るまで信じて疑わなかった。
「はつでんじょ」はおかしい、など断ずる資格はない。

<所を「じょ」と発音するものと「しょ」、と発音するもの>

「じょ」になるものと「しょ」になるものと規則性があるのだろうか?

「所」を「じょ」と発音するケース

●海軍操練所so o ren jo 
 幕末に勝海舟が設立した幕府海軍の学校。維新後、海軍兵学校。

●海軍伝習所den shuu jo 
 幕末にオランダ人から海軍技術を学ぶため幕府が長崎に創立。

●問注所mon chuu jo 
 鎌倉時代、室町時代訴訟を扱った幕府の役所

●公文所ku mon jo 
 平安時代、国衙の公文書を取り扱った役所

現代では、どうか?
保健所ho ken jo、
自動車教習所kyo shuu jo、
自動車練習所ren shu u jo
喫煙所ki tsu en jo
休憩所kyuu kei jo
便所ben jo
洗面所sen men jo
運転所un ten jo
精錬所se i ren jo
研究所ken kyu u jo

けっこうありますね。

「しょ」と発音するケース

●評定所hyo u joo sho
 徳川幕府の大名、旗本およびそれらの家臣を裁く裁判機関

●町奉行所machi bu gyoo sho 
 江戸時代、町人、百姓などを対象にした司法警察機関

●養生所yo joo sho 
 享保年間にできた幕府の医療機関。

●運上所 un joo sho 
 幕末にできた徳川幕府の税関。

●蕃書調所ban sho shi ra be sho 
 幕末にできた西洋の文物を取り扱う機関。東大の前身となる。

●講武所koo bu sho
 幕末、幕臣に武芸を教授した学校。

現代では、
裁判所sai ban sho
登記所too ki sho
市役所shi ya ku sho
事務所ji mu sho
社務所sha mu sho。

どちらもあるとおもえるもの

公共職業安定所 kou kyou shokugyo an te i shoまたは an te i jo.

前の音節が「ん」のとき、「所」は「じょ」と発音するのでないか。

保健所ho ken jo、 喫煙所ki tsu en jo、精錬所se i ren jo、喫煙所 ki tsu en jo

裁判所はこの規則に当てはまらない。

例外として、「所」の前の音節が濁音と「ん」で構成されると「しょ」としたのではないか。

sa i ban joと
濁音が続くのを嫌う傾向があるのではないか。
sa i ban sho

便所ben joは汚いものだから、濁音が続いてもいい、とか。

<発電所はha tsu den shoだ>

この規則に従えば、sho の前がden 濁音なので、音としてはha tsu den sho とした方がいいということになるか。

「はつでんじょ」と海江田さんのルーツとかかわりがあるのか

 訛りの問題だろうか。
福岡県の年輩の方で「先生」を「しぇんしぇい」と発音する方がいた。

江戸っ子はヒとシの区別が苦手で潮干狩りを「ひおしがり」というし、我々北関東の者は、中学校を「チーガッコウ」、イとエの区別ができないので江藤さんなのか伊藤さんなのかわからない。

上方の落語を聞いていると「交番所(kou ban sho)に行って」などという表現が出てくる。地方独特の表現がある。

海江田さんは杉並区の出身で都立鷺宮高校から慶応義塾の政治を卒業された。鷺宮高校の前身は都立家政女学校で西武線の「都立家政」駅はここからとった。

<薩摩がルーツ>

海江田という姓で思い出すのは海江田信義。近代陸軍の基礎を作った鬼才、大村益次郎(靖国神社に銅像がありますわね)暗殺の黒幕と言われた男である。

維新前は海江田信義は有村俊斎という名で、安政年間から薩摩の志士として活躍した。生麦事件で英国人にとどめをさした。示現流の使い手であり、西郷隆盛の秘書役もしていた。

大村益次郎をえがいた司馬遼太郎の「花神」では、ことごとに大村と衝突して大村を恨んで暗殺に至ったと書いてある。

海江田万里氏の先祖も鹿児島県日置郡の出身とある。

hatsuden-joは薩摩の表現と関係があるのかもしれない。

<ジャーナリストの子にして漢文の専門家>

海江田さんの父は毎日新聞の論説委員も務めた。中国、台湾に駐在した父上が息子に「万里」と名付けたそうである。

<中国文学者チンペイさんの秘書>

政治家、税務の専門家であり税金党創設者の野末陳平氏に海江田氏は私淑し税金党から立候補したこともある。

陳平さんは中国文学にも造詣が深い。海江田さんも師匠同様、漢文に長け、漢詩も創作される。

当然、漢字に詳しい。

明治維新のとき、江戸を東京に改名した。
当時、東京は「トウケイ」であったという。漢音では「ケイ」が正しいそうな。

ところが東(あずま)の京だから「トウキョウ」だと、現在の読みが一般化したそうな。

教育勅語、軍人勅諭の勅は本来、敕が正字



漢籍の泰斗からすると現代の慣用読みが我慢ならず、正しい読みを凡愚に教える意味で「はつでんじょ」と繰り返したかもしれないね。

| 中落合中太郎 | 海江田万里 | 22:04 | comments(0) | - | pookmark |
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< December 2017 >>
+ SELECTED ENTRIES
+ RECENT COMMENTS
  • 超能力新聞記者があふれる日本のマスメディア-『ジャーナリズム崩壊』上杉隆(幻冬舎新書)
    憂国 (01/21)
  • 超能力新聞記者があふれる日本のマスメディア-『ジャーナリズム崩壊』上杉隆(幻冬舎新書)
    (07/23)
  • 北カリフォルニアのミカン畑に行く。<湯葉シティYuba CityのKenzo Sushi>―おふくろ様カルフォルニアご親戚訪問同行記その7
    中落合中太郎 (09/23)
+ CATEGORIES
+ ARCHIVES
+ MOBILE
qrcode
+ LINKS
+ PROFILE