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中落合 中太郎
(C)Chutaro.Nakaochiai
最高裁判所国民審査―わたしたちはこの人たちがどういう人かなにもしらない
<最高裁判所裁判官がどういうひとか知っていますか> 明日、総選挙と同時に最高裁判所の国民審査があります。9人の裁判官の名前にバツをつけると、それが過半数を超えるとその人はやめさせられます。過去にこれで罷免された裁判官はいません。

選挙公報に少々、情報が載っていますが、これでこの9人の人となりを知る事はまず不可能です。選挙は候補者ですが、この人たちはすでに裁判官です。

<だれがどのようにしてこの人たちを選んだか>
 最高裁判所の裁判官は内閣が任命し、天皇が認証します。国務大臣と同じ認証官です。長官は天皇が任命します。三権の長として総理大臣と同格です。でも、内閣が、今度、こういうひとを最高裁判事にします、と紹介したでしょうか?この人たちが選ばれたことも私たちはしりません。

前の項で書いたように、最高裁裁判官は非常に重い仕事です。にもかかわらず何もわかっていない。国務大臣が任命されると、いろいろと新聞に出ます。与党、野党からいろいろな感想があります。最高裁判事が任命されたといって、マスコミが大きく取り上げたとは最近、聞きません。

<アメリカは違うよ。ソトマイヨール判事任命の上院審査> ソトマイヨールという名前を聞いたことがありますか。こんど、合衆国最高裁判所の裁判官に任命されました。オバマ大統領が任命した最初の判事です。ニューヨークのブロンクスの公営住宅で育ったヒスパニック系の女性というので話題になりました。アメリカでは最高裁の判事は大統領が任命します。内閣と大統領という違いはありますが行政の責任者が任命するところは日本も同じです。

<アメリカは上院の同意がいる> アメリカの最高裁判事の就任は上院の同意が必要です。7月13日頃から上院の司法委員会で公聴会が開かれ、ソトマイヨールさんは議員の厳しい質問にさらされました。ソトマイヨールさんが人種的偏見を持っている、などと攻められました。彼女は第二次大戦中の日系人の強制収容を厳しく非難した、とのことです。
 委員会の審議を経て、8月7日、上院の本会議で68対31で任命に同意するとの議決がありました。一人しか欠席者がいない。たぶん、亡くなられたテッド・ケネディーさんでしょう。すごいですね。

 約一ヶ月にわたって国会が審議する。最高裁裁判官を大事にしていることがわかります。

<国会の同意がいる公務員はほかにもあるのになぜ、最高裁判事はスルー> 参議院で野党が過半数を超えて、政府が任命しようとした日銀総裁が参議院で同意が得られませんでした。ほかにも国会の同意が任命の要件となっている役職は沢山あります。

<最高裁裁判官も同意人事にしよう> 最高裁判事は日銀総裁より重い仕事だと思います。最高裁判事になる人は公の場所で所信を述べ、われわれの代表の質問に答えるべきと思います。裁判官は独立した存在ですから裁判官になる前に、どういうひとなのか人となりを我々に明らかにしてほしいです。

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| 中落合中太郎 | 最高裁判所裁判官国民審査と冤罪事件 | 11:40 | comments(0) | - | pookmark |
足利事件と最高裁判所裁判官国民審査、もう一つの大事な判断―冤罪はあなたにもふりかかる。そのとき、この人たちがあなたを死刑にするかも?
総選挙と一緒に行われるものに最高裁判所の裁判官の国民審査があります。裁判官の名前が書いてある紙の罷めさせたい人の名前の上の欄に×を書く、あれです。4年間総選挙がなかったので9人の裁判官の審査が行われます。最高裁判所の長官も審査されます。

中太郎は今回、はじめて、この方たちに×をつけます。それだけのことですがよく考えました。

竹崎博充(たけさき・ひろのぶ)最高裁判所長官・最高裁判所裁判官
<経歴>東京高裁長官、名古屋高裁長官、最高裁事務総長、同次長

近藤崇晴(こんどう・たかはる)最高裁判所裁判官
<経歴>仙台高裁長官、最高裁首席調査官、東京高裁(部総括)判事

金築誠志(かねつき・せいし)最高裁判所裁判官
<経歴>大阪高裁長官、東京地裁所長、司法研修所所長、最高裁人事局長

涌井紀夫(わくい・のりお)最高裁判所裁判官
<経歴>大阪高裁、福岡高裁長官、司法研修所所長、最高裁総務局長、最高裁上席調査官


この4人の方は裁判官のキャリアの方です。最高裁の判事には裁判官でなくてもなれます。外務省で大使や次官をされた竹内さん、労働省の元局長で大学の先生の櫻井さんや弁護士や検事だった方も判事になっています。


中太郎が今回バツをつけるのは、この方たちが裁判官として不適格とか思想的にあわないという理由ではありません。合わない人もいると思いますがどなたがそうか知りません。

<冤罪を阻止できなかった最高裁―足利事件>
理由は足利事件です。足利事件について、いまさら説明する必要もないとおもいますが、簡単に書きます。1991年、栃木県足利市(あいだみつおさんの故郷、「渡良瀬橋」のあるところ)で幼稚園バスの運転手の菅家利和さんが幼い女の子を殺した容疑で逮捕起訴され、最高裁で無期懲役の罪が確定して、服役しました。根拠は衣服についた体液のDNAが菅家さんものと一致したというDNA鑑定でした。

冤罪 ある日、私は犯人にされた
冤罪 ある日、私は犯人にされた
菅家 利和


<宇都宮地裁は7年の審理の末、再審を認めなかった>
2002年にそのDNA鑑定が誤りではないかと再審請求が出されました。一審の宇都宮地裁での審理は2009年まで続きましたが、ようやく出した決定は、再審は認めない、というものでした。しかし、即時抗告審の東京高裁が当時のDNA鑑定の不正確さを認め再審の決定を下しました。菅家さんは18年ぶりに釈放されました。新しい精度の高いDNA鑑定により体液は菅谷さんのものと違うことがわかりました。


私が裁判官出身の最高裁判事に×をつける理由です。

1.足利事件が裁判になっているとき裁判官として裁判官を管理する立場で裁判所に勤務していた。

2.足利事件を審理した宇都宮地裁、東京高裁、最高裁の当時の裁判官に直接、釈明をもとめたり、責任を追及する事は私たちにはできない。

3.最終審であった最高裁第二小法廷は、足利事件についてひとりの反対意見、補足意見もなく全員一致で誤ったDNA鑑定を支持して菅家さんを無実の罪に陥れた。裁判官はだれ一人として、疑念や懸念を表明していない。

4.最高裁判所は下級裁判所の人事権や勤務評定など司法行政のトップである以上、あやまった裁判を行った裁判官をその位置につけた人事の責任を負うべきである。

5.間違った判決を下したのは裁判所という「会社」の体質に問題があると思う。冤罪判決は担当裁判官個人だけでなく、裁判の方針、裁判官への指導方針など裁判所という一つの「会社」の組織的な関与によるものである、と考える。

4、5についてのさらに説明します。

すべて裁判官は良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法と法律のみに拘束される、と司法権と裁判官の独立が憲法にうたわれています。
だから、足利事件を審理した判事に対して最高裁や裁判所の上司が指導や助言は出来ないので組織的関与うんぬんはまちがい、と思う方もいるでしょう。

しかし、裁判所も役所である以上、地裁の判事は高裁判事に、高裁の長官に、そしてできれば最高裁の判事になりたい、というように出世を願うのも人情です。

裁判官がもっともいやなのは自分の下した判決が上級裁判所で覆ることだそうです。地裁で無罪の事件が高裁で有罪に、高裁で有罪が最高裁で無罪確定となるようなことです。

裁判官は独立していますが、昇進、転勤など人事異動がある以上、一般の役所、会社同様人事考課があります。それをするのは地裁所長、高裁長官そして最高裁判所です。
どんな役所でも上の意向に沿う人が偉くなるのではないでしょうか。簡単にいえば最高裁の方針に沿う判決を書く裁判官が昇進するのです。

宇都宮地裁、東京高裁の裁判官はそれぞれ独立して良心に基づいて足利事件を判断したのですが、それが最高裁判所の導く判断の仕方、考え方にそうものだったから、最高裁も全員一致して無期懲役の高裁判決を支持したのだと、わたくしは考えています。
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| 中落合中太郎 | 最高裁判所裁判官国民審査と冤罪事件 | 21:14 | comments(0) | - | pookmark |
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