食べ物と汽車が好きな人のための書評

名作の中の食べ物、作家が好きな食べ物と旅を追って、本の森を歩こう

中落合 中太郎
(C)Chutaro.Nakaochiai
濫費ー2016東京オリンピック 都知事は負債を残してやめるものなの?
<東京都にこんなに金があるのなら…> 東京オリンピックの招致活動が最終局面に入った。マスコミは、東京不利とはあからさまにいわない。いえないのだろう。しかし、新聞各紙を見ると東京がビリ、という客観的データが並ぶ。

東京は37億ドル(3,330億円)を資金として用意しているというその金、都立病院の医師の確保とか建て直しとか保育所の増設とか、ほかに使わなければならないところが山のようにあるだろうが。それに実際に開催したらそんなもんじゃすまないと思う。

<都知事とは辞めるときには大散財したいものなり?>
思えば、美濃部さんが3期で辞任したときも都の財政赤字を残した。その後、鈴木俊一さんが財政立て直しを掲げて4期勤めたものの4期目には、ハコモノをたくさん作って、これまた大幅赤字だ。石原さんは新銀行東京でつまずいたあげく、運動会で大赤字つくるつもり?

<IOCロゲ会長はリオ・デ・ジャネイロ支持?> 
9月18日朝日新聞朝刊によると、国際オリンピック委員会評価委員会の評価報告書では、第一次選考で7都市中5位の評価だったリオの評価が「極めて質が高い」と記された。ここから、「南米初の五輪を手柄にしたいロゲIOC会長の意向が反映された」「報告書で劣るリオが当選したら評価委の権威が失墜するからゲタをはかせた」(朝日)などの憶測が見られた。

この「憶測」については、読売の9月4日の記事『インサイド』の中でも、「ロゲ会長が評価委報告書のリオデジャネイロ部分の書き直しを指示した、というまことしやかなうわさまで飛んだ。そう揶揄されるほど「リオ」の勢いが高まっていることはまちがいない」とリオ優位を隠そうとしない。

シカゴは、アメリカでのオリンピック放送権をめぐって米国オリンピック委員会USOCとIOCの間で確執があり、多数をしめるヨーロッパのIOC委員がアメリカに対していいイメージがないと報じている。(読売)

<候補の4都市分析>
毎日新聞9月3日朝刊「東京リード奪えず」の記事で各都市のIOC評価委員会報告書の要旨が票になっている。

(東京)
プラス評価:競技施設が射撃場をのぞくと都心から8キロ以内。財政保障がある。37億ドルを都が準備している。

マイナス評価;都民の支持率が最低。既存施設利用といいながら実は施設を新設が必要。選手村、スタジアム周辺の交通が懸念。
総合評価:細部にあいまいなところもあるが評価は高い。

(シカゴ)
プラス評価:大部分が既存施設を使い、ホテル、選手村が都心に位置する。
22会場が都心から8キロ以内。計画自体は詳細で、質が高い。

マイナス評価:運営コスト面で不安がある。7億5千万ドル以上の赤字が出たときの財政保障を提案しているが、もっと赤字になるおそれがある。

(リオデジャネイロ)
プラス評価:南米での五輪開催などの理念がある。
ブラジル政府が招致活動している(東京は都が招致活動)。
IOCの世論調査で市民から強い支持を得た(83.5%が賛成)

マイナス評価:治安面に課題。宿泊施設の不足を補うため6隻の客船をし世するなど輸送面に注意が要る。

総合評価:市が地域の取締りを進め、成果をあげている。2014年のサッカー・ワールド・カップ開催で貴重な経験が得られるだろう。

(マドリード)
プラス面:国、地方、市からの強い財政保障。
市街地から12キロ以内にある2つの会場で競技が開催。コンパクト。移動が便利。
23施設が既存使用。高い支持84.9%

マイナス面・ドーピングの対策の法制化に不透明

<東京の支持率55.5%というが>
支持率の一覧表が毎日にのっているので転載する。

強く支持 東京25.2 シカゴ38.7 リオ41.9 マドリード57.9
支  持 東京30.3 シカゴ28.6 リオ42.6 マドリード27.0

反  対 東京15.5 シカゴ 6.5 リオ 5.2 マドリード 4.0
強く反対 東京 7.8 シカゴ 5.7 リオ 4.0 マドリード 2.8

日の丸とオリンピック
日の丸とオリンピック
谷口 源太郎

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| 中落合中太郎 | 樋口惠子 | 21:43 | comments(0) | - | pookmark |
「祖母力」by樋口惠子(講談社+α文庫)その2−はたらくお母さんの支えは今も昔もおばあちゃん。いや、祖父ちゃんだって伯母ちゃんだって!
<呼び寄せ老人と子育て同居>
私の友人は近頃、田舎で一人暮らししていた母親を引き取って、同居をはじめた。一人暮らしの老人を気遣ってという意味もあるが共稼ぎの彼女としては子供2人のベビーシッターとしてはたらいてもらいたいという気持ちもある。また、中太郎のお神さんは妹夫婦の家に通っている。共稼ぎの妹夫婦にかわって小学生の甥、姪の面倒を見ている。神さんの行かない日は、おばあちゃんつまり神さんの母が通う。甥、姪を二つのファミリーがサポートしている。こういう現実が中太郎の身近にある。孫や甥姪の誕生で親族のつながりが生まれたりさらに緊密になる例は珍しくないそうだ。

<少子化を促進する日本の経営者とそれを許す政府>
深夜勤務、徹夜勤務の妹を気遣い、神さんは「労基署に訴えようか」といったことがある。中太郎は「よせ」といった。妹の会社は大企業だから彼女が望めば9to5の部署に移るのは困難ではない。しかし、彼女は男性社員に伍して、歯を食いしばってがんばっているのである。それに冷水をかけるのはよいことか?と私は思うのだ。
 妹が、子供のために5時で帰れる部署を望めば、会社は「やっぱり女じゃだめだ」と評価するに決まっている。
「そんなに子供が心配なら旦那も働いているんだし、家庭に入ればいいだろう」という評価になるだろう。父親の育児休業なんてとんでもない。人減らしをした分は残業でカバーしてもらう、というのが現在の経営者のマインドではないか。いやいや、経営者だけではない。同僚が育児休業を取ったためにそのしわ寄せをうけると迷惑がる社員もいる。小企業では負担増を嫌って育休の社員の補完をしない。が、出産退社してくれれば、後任が補充される。

能率を第一に考える企業では深夜勤務、徹夜勤務ができない女性はキャリアとしてマイナスの評価につながる。はたらく母は仕事か家庭かの二者択一をせまられ、職場を去っていく。あたら優秀な人材が埋もれていく。どうしてもキャリアを取るとすれば、祖母たちの献身的な育児に期待するしかない。それが日本の現実である。

そういう親族のいない母はどうするのか。そういう企業風土の中での子育てを見ている未婚女性はどう思うか?企業や経営者のマインドが少子化を促進し、ひいてはわが国の市場を小さくしているのだ、と中太郎は考える。さて、前置きが長すぎた。

歯を食いしばってがんばるお母さんの支えが介護保険の負担増や年金切りで政府に邪険にされている老人たちである、ということを記したのが樋口惠子さんの「祖母力」である。

祖母力―娘・嫁・息子を救い孫を守る愛の手 (講談社プラスアルファ文庫)
祖母力―娘・嫁・息子を救い孫を守る愛の手 (講談社プラスアルファ文庫)
樋口 恵子


政府は少子化対策というけれど、はたらくお母さんの子育てを今、精一杯支えているのはお祖母ちゃん
前々回の都知事選挙に樋口惠子さんが出馬した。石原さんに惨敗した。私はこの本を読んで「樋口さんに一票いれるべきであった。樋口さんにいっぺん行政をやってもらうのだった」とわが身の不明を恥じた。樋口さんは都知事選に出馬したことでありとあらゆる誹謗中傷に傷ついた、というようなことを述べておられる。

さて、本書では2005年の内閣府編の『高齢社会白書』から引用して、
―仞姑焦後の日中の育児者、
⊇仞牽映半後の日中の育児者の割合をあげている。
―仞姑焦後第1位は母親で65.9%、第2位は保育士で16.2%、そして祖母が15.9%である。母親が高いのははたらく母は育児休業中であるからであろう。
それが⊇仞1年半後になると第1位は保育士等で56.8%にはねあがる一方、母親は18.3%に激減。そして祖母が22.5%と躍進する。

育児休業後の母のたよりは保育所とおばあちゃんである。たよりの保育所は先ごろ問題になった豚インフルエンザ騒ぎのときは閉鎖となる。そんなとき頼るべきは親族すなわちお祖母ちゃんしかない。このような全国的な問題以前に熱を出したり、かぜを引いた子供を預かってくれるいわゆる病児保育をしてくれる保育所が極めて少ない、そうである。

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| 中落合中太郎 | 樋口惠子 | 20:56 | comments(0) | - | pookmark |
新聞マンガのおかあさんはなぜ専業主婦ばかり?−「祖母力」(講談社プラスアルファ文庫)by樋口恵子
<新聞マンガのママはなぜ専業主婦ばかりなの>
 中太郎が講読しているサンケイ新聞の連載まんが『サラリ君』(西村宗)の奥さん咲子さんは専業主婦で小学生の男の子と女の子を育てている。サラリ君のお母さんと同居している。もう一つのマンガ「ひなちゃんの日常」(南ひろこ)のすごくよくできた未就園児のひなちゃんは専業主婦のおかあさんとひなちゃんべったりのお父さんの3人暮らし。父母双方のおじいちゃん、おばあちゃんもよく登場するが別居している。

それで、主要紙連載のマンガのおかあさんはどうなのか読んでみた。朝日新聞朝刊『ののちゃん』(いしいひさいち)では小学生のののちゃん、中学生ののぼるくん(たしか昔は『となりの山田くん』というタイトルで彼が主役だった。)のお母さんのまつこさんは専業主婦。まつこさんの母が同居している。お父さんの両親はどうしているのかあまり出てこない。

読売新聞朝刊『コボちゃん』(植田まさし)のママもパートに出ている様子もないので専業主婦。ママの両親と同居。コボちゃんはよくおじいちゃんとでかける。毎日新聞のロングラン『アサッテ君』(東海林さだお)は中太郎はあんまり読まないのだが奥さんは家にいるようだ。おじいちゃん、おばあちゃんらしい老夫婦の風景も登場するが同居しているようには見えない。

朝日、毎日、読売、サンケイの4紙のマンガのおかあさんで働いているのは毎日の日曜連載の「毎日かあさん」(西原理恵子)だけだ。が、毎日かあさんは漫画家で家で働いている。多くのおとうさんのように電車で会社に通勤しているお母さんはひとりも出てこない。

クッキングパパ (1) (モーニングKC (1004))
クッキングパパ (1) (モーニングKC (1004))
うえやま とち

<働くお母さんでは家庭マンガにならないのか> 男女共同参画社会なのに新聞マンガにキャリアママが登場しないのはけしからん、などというつもりはない。でも、なぜ登場しないのだろうか?それは「ホリイのずんずん調査」の堀井憲一郎さん(早稲田漫研OB)か、もうすぐヒマになる麻生太郎総理に考えてもらおう。

では、はたらくお母さんでは家庭漫画が成立しないのかというと、雑誌漫画ではあるがロングラン連載の『クッキングパパ』(うえやまとち)の主人公荒岩一味(あらいわ・かずみー金丸産業という博多の商社員)の妻、虹子さんはニチフク新聞の敏腕記者であり一男一女の母である。ごっつい一味がじつに見事な料理をつくりあげ、仕事にもプラスになっていくというストーリー。出来すぎのお父さんである。

虹子(にじこ)さんはバリバリのオヤジギャルならぬオヤジママでよくべろべろに酔っ払って帰ってくる。新聞記者だから帰りも遅くなる。また、それを出来た息子と夫がフォローする。今はそういう家庭も少なくないはずだ。一味の母も早世した夫に代わって賄い婦として働きながら一味たちを育てた。一味が料理をするようになったのも小学生の頃、仕事で留守の母に代わって幼い妹のために包丁を握ったのがきっかけ、という筋立てになっている。

<おばあちゃんは子育ての一翼をになっている>
専業主婦ばかりではあるが、漫画のおばあちゃんは孫育てには参画しているし、息子、娘、嫁、婿もそれをけむたがりながらも歓迎している。

サラリ君のおばあちゃんはサンケイらしく少々保守的でお嫁さんとよく衝突するが孫たちの教育など積極的に子育てしている。
ののちゃんのおばあちゃんしかり、コボちゃんはおじいちゃん子らしい。

「毎日かあさん」のおばあさんは西原さんのお母さんがモデルらしいが、原稿描きに苦しむ娘に代わって孫のごはんもつくるし、しつけ、教育にも熱心である。これらがほのぼのとした新聞漫画によく描かれるのは、祖母の家事育児参画が日常的であるからであろう。が、これが専業主婦ではなく、共稼ぎや母子家庭の働くおかあさんの場合には、祖母はなくてはならない最大の援軍となる。
祖母力―娘・嫁・息子を救い孫を守る愛の手 (講談社プラスアルファ文庫)
祖母力―娘・嫁・息子を救い孫を守る愛の手 (講談社プラスアルファ文庫)
樋口 恵子
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| 中落合中太郎 | 樋口惠子 | 19:44 | comments(0) | - | pookmark |
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