食べ物と汽車が好きな人のための書評

名作の中の食べ物、作家が好きな食べ物と旅を追って、本の森を歩こう

中落合 中太郎
(C)Chutaro.Nakaochiai
国母くんの味方はいないのか!―殺すぞ、帰ってくるなメールが東海大に
 <国母和宏くん開会式出席自粛―マスコミは国母を袋だたき―コワイ

スノーボードハーフパイプの国母くんの服装問題でバッシング一色になった。毎日新聞電子版によると「殺すぞ」「帰ってくるな」というメールが東海大学によせられ、監督は国母くんだけ選手団と別便で帰国することを検討しているという。


MSN産経ニュースは相撲でも朝青龍問題で厳しい発言をしている漫画家のやくみつるさんの談話を掲載している。以下、引用。

本来、制服を着崩すことがよくないのに、学校では恒常化しており先生がとがめることもない。この風潮に待ったを掛けるためにも、国母選手は本国に召還すべきだ

おなじく産経新聞の2月14日東京版のコラム「産経抄」はこう非難する。

反逆は若者の特権である。それがまた時代を変える原動力になってきた。織田信長も若いころは「大うつけ(ばか者)」と侮られたが、天下布武に突き進んだ。話題のスノーボーダー、国母和宏はどうだろう。やっぱりただのうつけにしかみえない。

<中略>

だらしない格好やぞんざいな言葉遣いは、心と生活の乱れにつながる。小学校高学年までに、祖先を敬い、友と仲良くし、故郷を大切にする心をはぐくまないと日本中、国母クンだらけになってしまう。

<やくさんってオラが高校のときの生活指導の先生とおんなじだ>

 中太郎が高校生のとき、制服廃止運動という嵐が吹き荒れた。学校側は大反対。でも、この運動で制服がなくなったり学帽がなくなる高校もあった。

やくさんはさぞかし整った格好で高校や早稲田大学に通学されていたのであろう。

国母くんの存在が、日本国の良風美俗破壊の象徴みたいにいう産経は、血迷っているとしか思えない。織田信長をひっぱりだして、やっぱり、信長と違う、って信長が天下を取ったからよくて、国母くんはボーダーで大学生に過ぎないからダメ、て、それだけでしょ。産経様がいいたいのは。


<制服には着くずしたくなるオーラがある>

 通勤電車の中で中高生を見ると、スカートを極端に短くしたり、スカーフをずり下げている女子生徒やタイを緩めたり、腰パンにしている男子生徒は少なくない。ルージュを引いている子はいないが、つけまつげやマスカラの女子はけっこういる。

見ていて美しいとは思わない。しかし、彼ら、彼女らにとっては強制されたものへのささやかな抵抗だったり、自分の美意識の主張ではないか、と思う。

<あんただって若いころはそうだったじゃないか>

 中太郎が不思議なのは、マスコミに国母くんの弁護人がいないことだ。中太郎が大学に入ったときはいわゆる学生運動は下火になっていた。しかし、それより上の世代、現在、58歳から63歳くらいの方は、バリケード組んだり、デモやったり、大いに自己主張する学生時代を送ったはずだ。

「あれは若気のいたりだった」
「オレは反対だった」
と、いう方もいるだろうが、
「国母の気持ちはわかるよ」
という方の意見が大メディアからちっとも、聞こえてこないのは、さびしい、というより、おそろしい、と思う。

新聞にコラムを書いたり、意見を求められるひとは、それなりに凡人より抜きん出たなにかを持っている方だと思う。それが、国母バッシングの仲間に入って、一緒になって彼に石を投げるなら、そんなジャーナリストはいらない。

<もっと余裕のある社会でありたい>
 
 国母くんへの非難一色のメディアだが、本来、ジャーナリズムはそれとは対極にあってほしい。
少し、毛色のかわったひと、かわった考えのひとを「制服はきちんときませう」とか、「校則はまもりませう」とか誰でもわかっているようなことを叫んで、よってたかってなぶり殺しにするような社会をいい社会とはぜんぜん思わない。

<朝日新聞の勇気>

 朝日は戦前、政府の御用新聞と呼ばれ、太平洋戦争賛美の記事を書いたことを省みて、昨年、その検証記事を連載した。言論統制のなかで軍部批判はいのちにかかわることでやむを得ない、ことであった、と思う。

それでも、朝日はよくやった、と思う。
言論の自由があり、少数意見にも発言権が認められるようになった今、一方の意見だけではなく、少数であっても、反対意見も掲載する両論併記の姿勢こそ、私たちが まちがった道を再び進まないための安全装置であると思う。

一連の小沢幹事長の資金管理団体の報道をみるにつけ、そして、国母くんの問題をみるにつけ、一方の意見だけに偏りがみられて残念でならない。

繰り返す。
国母くんバッシングはおそろしい。
| 中落合中太郎 | その他 | 16:41 | comments(0) | - | pookmark |
国母和宏くんVS.ナチス式敬礼が好きな日本の体育関係者―制服、ちゃんと着ないと連れてかないよ
 <国母ってこくぼって読むんだ>

 トリノじゃないバンクーバーオリンピックの選手村入村式でスノボーの国母和宏くんが「服装のみだれ」を理由に式典参加を日本の役員から禁止されたそうな。

中太郎はラジオで「こくぼ」と聞いたときは、ソフトバンクの小久保の文字が浮かんだ。国母という文字はスポーツ欄で見てたけどなんて読むのかわからなかった。飯山満とかいて「はさま」と読む駅もあるし(いいやま みつる、だと思ってた)、「国母」。 どう読むんだろう?と思ってた。それくらい、彼を知らなかった。

 プロのスノーボーダーで世界で活躍する国母和宏くんが、オリンピック団のおじさんたちに怒られた服装を見たけど、「おお、あのブレザーをよくぞ、ここまで自分のファッションにしたな」というくらい、見事だった。かっこいい。(おじさんにはできない)

 スノボーをどういうファッションでやってるのかをテレビでしか見たことはないが、スケボーのファッションというのは独特のカルチャーがあるんだな、ということは分かっていた。文化といってもいい。

スノボーをオリンピック種目にしたときから、そういう文化が体育協会にもはいったということなんだが、日本体育協会、日本オリンピック委員会のおじさんおばさんには理解できなかった、というか気がつかなかった。それが日本のスポーツ界のカルチャーというもんなんだ。

<日本のスポーツ界のカルチャー、文化の象徴、国体と高校野球の開会式>

国体のハイルヒットラー

 日本体育協会だか体育連盟だかしらないが、彼らがやっているイベントに国民体育大会がある。国体だ(国体護持の国体とまちがえる迷惑な略称)。

あの国体の開会式というとみんないっせいに足並みそろえて各県選手団が行進する。そして、あの、ナチス式の敬礼「ハイル ヒットラー」とやる「あれ」、をやるわけだ。やる、というより国母くんをおこったおじさんたちがやらせるわけだ。

 ナチス式は、21世紀になって、ようやく、やめた。

<高校野球開会式に象徴される日本のスポーツ界のカルチャー>

 高校野球の開会式も、21世紀になって、高校生の司会になって、ソフトになったが、行進はやっぱり好きらしい(ワシもあれはあれなりに好きです)

20世紀の開会式
昔の司会は、絶叫型で
「選手団入場であります!!!」
「観覧のみなさま!ご起立願います!」
と、じつにアナクロだった。
極めつけは新聞社社長のあいさつと審判部長訓示(訓示だよ)。

佐伯達夫さんという名物審判部長がいて、一席ぶつ。
「高校野球選手諸君!諸君は、全国何千何校余の高校から選抜され!!母校と故郷の名誉を担って!!」
とやるあれだ。

出陣学徒壮行会  
音楽入りというのと、あの軍国調の訓示といい、いつも思い出すのが、
昭和18年10月21日明治神宮競技場いまの国立霞ヶ丘競技場で挙行された「出陣学徒壮行会」である。「抜刀隊」をモチーフにした陸軍分列行進曲が吹奏される中、学生服にゲートルを巻き、銃をかついだ大学生が行進する。そして、東条英機総理大臣の名調子の訓辞。

日本体育協会のおじさん、おばさんたちは、スポーツ選手のイベントというと、「壮行会」方式にしないと満足しないカルチャーなんだね。

この事件のおかげでスノボーの視聴率はあがる

中太郎はスノボーにはぜんぜん興味なかった。ことしのオリンピック自体に興味ないんだが、国母っていうニイちゃんがどんなヤツか、見たくなった。

これで関心があがるなら、壮行会のすきな体育連盟のヒットってことになるのだろうか。

キミならいいよ、となぜ、いえない

古いはなしばかりで恐縮だが、1970年代末、若き小沢征爾さんが昭和天皇にお目にかかったことがある。あいかわらずのボサボサ頭で、天皇陛下とお話した。

そのとき、小沢さんはスポンサーだったフジテレビの撤退で苦境にあった日本フィルハーモニー交響楽団の常任指揮者だった。小沢さんは、
「陛下!日本フィルを助けてください」
と直訴した。天皇陛下にものを頼んじゃいけない、しきたりだった。あとでそれを知った小沢さんは、当時の入江侍従長に「すみません」と詫びた。

そのとき、入江さんは言った。
「きみならいいよ」

体協のおじさんも国母くんに
「きみならいいよ」
といってほしかった。

| 中落合中太郎 | その他 | 07:22 | comments(0) | - | pookmark |
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